経済財政運営と改革の基本方針 2015 の気になる箇所について

金曜放送で紹介した。2015年の基本方針の気になる箇所

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http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2015/2015_basicpolicies_ja.pdf


経済財政運営と改革の基本方針 2015 について

平 成 27 年 6 月 30 日 閣 議 決 定


第1章 現下の日本経済の課題と基本的方向性

1. 日本経済の現状と課題

[1]経済財政の現状

(1)アベノミクスのこれまでの成果

また、日本で生産される財・サービス全体の価格を表すGDPデフレーター(消費税率引上げの影響を除く。)は 22 年ぶりに明確なプラスとなった。

(2)消費税率引上げの影響と再引上げの延期

こうした状況の下、デフレからの脱却と経済の好循環をより確かなものとするため、消費税率の 10%への引上げ時期を平成 27年 10 月から平成 29年4月に延期することとした。加えて、個人消費を喚起し、地方にアベノミクスの成果を広く行き渡らせるため、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」を策定し、それを具体化する平成 26 年度補正予算及び平成 27 年度予算の着実な実行に努めている。

[2]今後の課題

(1)経済再生に向けた取組

政府は公共サービス分野への企業等の参画拡大、国民や関係者の意欲を喚起することによる公共サービスの無駄排除・質向上等の改革に取り組む。

② 潜在的な成長力の強化

労働供給の面では、「人口急減・超高齢化」への流れに歯止めをかけるとともに、働き方の選択肢を充実し、長時間労働を削減するなど働きたい人が働きやすい環境を整えることで、女性・若者・高齢者等の労働参加率を高めていく。
また、国内外の新たな市場を開拓し、潜在的な需要を獲得するため、健康産業、観光、農林水産業、エネルギー等の成長産業化、ロボットや人工知能、ビッグデータやオープンデータの活用等の取組の加速や、経済連携の強化等を通じたグローバル化への積極的な対応等に取り組んでいく。

2. 新たなステージへ移りつつある東日本大震災からの復興

経済再生に寄与する「歳出改革」、「歳入改革」を推進することを通じて、公共サービス分野を「成長の新たなエンジン」に育てること等により、イノベーションや企業の新陳代謝の活発化、労働移動の円滑化、女性の活躍等の実現を通じて、我が国経済の潜在成長力を2%程度を上回る成長に向けて高めていく。

1. 我が国の潜在力の強化と未来社会を見据えた改革

[1]「稼ぐ力」の強化に向けた事業環境の整備と成長市場の創

投資家への効果的かつ効率的な情報開示と電子化の促進や、IFRS(国際会計基準)任意適用企業の拡大促進を図る。

(サービス業の生産性向上)

小売業、飲食業、宿泊業、介護、道路貨物運送業の5分野で、製造業の「カイゼン活動」のサービス業への応用や、IT・ビッグデータ・設備の活用といった取組を推進する。これにより、若者などの働き手にとっても魅力ある産業とする。

(中小企業・小規模事業者への対応)

政府は産業界に対し、下請取引ガイドラインに沿った取引を行うよう徹底して要請する。さらに平成 27 年度上半期に、約500 社に対し集中的な立入検査を実施し、適正な転嫁が行われるよう全力で取り組む。あわせて、消費税転嫁対策について、引き続き万全の対応を進める。

(規制改革等)

内外の社会経済構造変化のスピードが一層増す状況下において、不断の規制改革を通じて、時代に適合した規制の在り方を模索し、実現していく。
特に、①多様な働き方の促進、②観光など地域活性化、③イノベーション・投資喚起等の分野を重視して改革を推進する。
規制改革を推進する観点から、「規制改革実施計画」14において決定した事項について、
着実にフォローアップを行うとともに、規制所管府省庁が主体的・積極的に規制を見直すシステムの確実な実行を進めていく。
国家戦略特区の取組を一層加速化し、いわゆる「岩盤規制」の更なる突破口を開いていく。
さらに、近未来技術の実証を含め、本年内できるだけ速やかに、地方創生特区第二弾の指定(国家戦略特区の3次指定)を実現する。
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/150630/item1.pdf

(対日直接投資)

対日直接投資推進会議で決定した「外国企業の日本への誘致に向けた5つの約束」15に基づき、小売店・飲食店・病院・公共交通機関等の多言語対応化、街中での無料公衆無線LANの整備促進・利用手続簡素化、地方空港での短期間の事前連絡によるビジネスジェット受入れ環境整備、外国人留学生の日本での就職支援、重要な投資をした外国企業に副大臣を相談相手としてつける企業担当制の実施に取り組む。
また、総理・閣僚のトップセールスや、在外公館・JETRO・地方自治体の更なる連携強化による対日直接投資の案件発掘・誘致活動に取り組む。
http://www.invest-japan.go.jp/promotion/promise_ja.pdf

(農林水産業)

攻めの農林水産業を展開し、農林水産業を成長産業にするとともに、美しく伝統ある農山漁村を次世代に継承していく。こうした基本的な考え方の下、「農林水産業・地域の活力創造プラン」17及び「食料・農業・農村基本計画」18に基づく施策を着実に実施する。
イノベーションによる農業の成長産業化の推進、食の安全の確保、輸出拡大と食品産業のグローバル展開、6次産業化の戦略的推進、担い手への農地集積・集約化のため農地中間管理機構の取組の強化、法人経営、新規就農者、企業など多様な担い手の育成・確保、生産基盤の整備等により、畜産・酪農を含む農業の競争力強化を進める。
米政策の改革を着実に進めること等により、農業経営体が自らの経営判断に基づき作物を選択できる環境を整備するとともに、食料安全保障の確立等を図る。さらに、農業協同組合・農業委員会・農業生産法人の一体的な改革を実施し、意欲ある農業の担い手が積極的に活動できる環境を整備する。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/nousui/pdf/plan-honbun-kaitei.pdf
http://www.maff.go.jp/j/pr/annual/pdf/kihon_keikaku_0416.pdf


[2]海外の成長市場との連携強化

TPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉については、国益を最大化する形での早期妥結に向けて引き続き取り組むとともに、日EU・EPA、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日中韓FTA等の経済連携交渉を同時並行的に戦略的かつスピード感をもって推進する。これらを通じ、世界全体の貿易・投資のルールづくりが前進するよう、我が国が中核的な役割を果たす。
さらに、我が国企業のグローバル市場開拓を促進するため、官民連携によりODA等も活用したインフラシステムの輸出、中堅・中小企業、小規模事業者、サービス業の海外展開の支援、日本食・日本産酒類、コンテンツの輸出や文化の創造・発信等クールジャパン戦略、法の支配の理念の下での法整備支援や予防司法23等24を通じたビジネス環境整備を促進するほか、航空・宇宙・海洋産業の振興を図る。
また、「質の高いインフラパートナーシップ」を推進する。
http://www.meti.go.jp/press/2015/05/20150521003/20150521003-1.pdf

2. 女性活躍、教育再生をはじめとする多様な人材力の発揮

[1]女性、若者など多様な人材力の発揮

全ての女性が輝く社会を目指す。このため、「女性活躍加速のための重点方針 2015」に基づき、取組を加速する。行政、経済等各分野での女性の参画拡大、科学技術イノベーション立国を支える女性の理工系人材等の育成、長時間労働の削減や働き方改革、ワーク・ライフ・バランス等に取り組む企業の支援、介護離職防止などキャリア断絶を防ぐ取組、家事・育児など家庭生活における男性の主体的参画、「マタニティ・ハラスメント」などあらゆるハラスメントの根絶、女性の暮らしの質向上のための取組等を積極的に進める。税制・社会保障制度・配偶者手当等の在り方については、女性が働くことで世帯所得がなだらかに上昇する、就労に対応した保障が受けられる等、女性が働きやすい制度等への見直しに向けて具体化・検討を進める。
職場情報の「見える化」を通じた雇用管理改善の促進など若者の雇用対策の強化や、学修時間の確保等のための現在の大学4年生等からの就職・採用活動開始時期変更の円滑な実施等に取り組むとともに、再チャレンジが可能な社会の構築を目指し、ニート等の職業的自立の支援、非正規雇用労働者対策の強化、協力雇用主への支援を含む刑務所出所者等に対する就労支援、受刑者に対する職業訓練の一層の充実やそれを支える矯正施設の環境整備等に取り組む。また、生産性向上のための人材育成、医療・福祉、建設業、運輸業、造船業などの人材不足が懸念される分野での人材確保・育成対策等に取り組む。
生涯現役社会の実現に向けた高齢者の就労等の支援、障害者等の活躍に向けた農業分野も含めた就労・定着支援、文化芸術活動の振興などその社会参加の支援等に取り組む。
外国人材の活用は、移民政策ではない。基本的な価値観を共有する国々との連携を強化するとともに、知日外国人材を増やす。優秀な研究者や経営者など外国の高度人材や留学生等が活躍しやすい環境を整備する。技能実習制度は、管理監督体制の抜本的強化等を着実に推進する。あわせて、人権擁護施策の推進など、外国人にも暮らしやすい社会に向けた取組を進める。

[2]結婚・出産・子育て支援等

「子ども・子育て支援新制度」を着実に実施し、本制度に基づく幼児教育・保育・子育て支援の「量的拡充」及び「質の向上」に消費税増収分を優先的に充てる。また、更なる「質の向上」を図るため、消費税分以外も含め適切に確保していく。「待機児童解消加速化プラン」、「放課後子ども総合プラン」等も確実に推進する。

3. まち・ひと・しごとの創生と地域の好循環を支える地域の活性化

[1]まち・ひと・しごとの創生

(地方創生の深化)

①各地域の「稼ぐ力」の引き出し、②熱意と意欲のある地域へのインセンティブを通じた「地域の総合力」の引き出し、③民間の創意工夫を最大限に活用した「民の知見」の引き出しに取り組むことによって、人材と資金が積極的に地方に行き渡り、ひいては高度な技術や情報等が全国津々浦々で共有されるような、活力ある日本経済を取り戻していくことが重要である。地方創生の深化のためには、従来の「縦割り」の事業や取組を超えた、新たな「枠組み」づくり(官民協働と地域連携)や新たな「担い手」づくり(地方創生の事業推進主体の形成や専門人材の確保・育成)、生活経済実態に即した新たな「圏域」づくり(「広域圏域」から「集落生活圏」まで)が重要となる。


[2]地域の活性化

(1)地域活性化

過疎地域や、離島・奄美等、半島を含む条件不利地域においては、近隣地域との調和ある発展や交流・連携(※)にも留意しつつ、集落生活圏における基幹集落への各種機能・サービスの確保・集約や周辺集落との交通ネットワークの確保等による「小さな拠点」の形成を推進し、必要な交通基盤の維持を含む日常生活機能の確保や地域産業の振興により定住環境を整備して、地域の資源や創意工夫を活いかした集落の維持・活性化を図る。
※世界遺産登録を見据えたものを含む

(2)都市再生等

人口減少を踏まえ、コンパクトシティの形成に向けて、都市機能の集約等を進める都市のコンパクト化と、公共交通網の再構築をはじめとするネットワークの構築を推進する。なお、公共交通網の再構築に当たっては、新たな国の出資制度等の活用を図る。
あわせて、中心市街地の活性化や住宅団地の福祉拠点化を推進する。

(3)沖縄振興

成長するアジアの玄関口に位置付けられるなど、沖縄の優位性と潜在力を活かし、日本のフロントランナーとして経済再生の牽引役となるよう、引き続き、国家戦略として、沖縄振興策を総合的・積極的に推進する。国家戦略特区の指定や那覇空港の滑走路増設も踏まえ、観光ビジネスの振興やイノベーション拠点の形成を図るとともに、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の規模拡充に向けた検討や、OIST等を核としたグローバルな知的・産業クラスターの形成の進展を図る。また、西普天間住宅地区について、関係府省庁の連携体制を確立し、国際医療拠点構想の具体的な検討を進めた上で、同地区への琉球大学医学部及び同附属病院の移設など高度な医療機能の導入をはじめとする駐留軍用地跡地の利用の推進を図る。
http://www.pref.okinawa.jp/site/kikaku/chosei/keikaku/ajiage-toweikousou-torikumihousinn.html

(4)地方分権改革等

地方分権改革は、地域が自らの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものであり、地方創生の極めて重要なテーマである。
平成 27 年の提案募集においても、地方からの提案の最大限の実現を図り、地方の発意に根差した改革を更に推進する。
あわせて、住民に身近な行政の現場で活躍する人材の連携・情報共有等により地方分権改革の担い手の強化・支援を図るとともに、改革の成果を国民が実感できるよう、優良事例の普及や情報発信の強化等に努める。
道州制について、基本法案の動向を踏まえ、必要な検討を進める。

4. 安心・安全な暮らしと持続可能な経済社会の基盤確保

[1]外交、安全保障・防衛等

(1)外交

特に、在外邦人・日本企業・日本人学校等の安全対策強化、テロ対策等に係る情報収集・分析機能強化、「ジャパン・ハウス(仮称)」の活用を含む戦略的対外発信を通じた日本の「正しい姿」や多様な魅力の発信及び親日派・知日派の育成、次期サミット議長国としてのグローバルな課題に対するリーダーシップの発揮、日本企業や地方自治体の海外展開支援に取り組む。
あわせて、これらの取組の基盤となる人的・物的基盤を含む外交実施体制の整備を推進し、ODAの適正・効率的かつ戦略的活用を図ることで、総合的外交力を高めていく。

(2)安全保障・防衛等

その際、人事制度改革の着実な推進、防衛生産・技術基盤の強化、諸外国との装備・技術協力等の推進を図る。また、宇宙空間及びサイバー空間における対応にも取り組む。

[4]地球環境への貢献

世界の温室効果ガスの削減などの地球環境問題の解決に向けて、「攻めの地球温暖化外交戦略」を着実に実施し、水素エネルギー技術を含む革新的環境エネルギー技術の開発、二国間オフセット・クレジット制度等による技術の普及、官民併せた途上国支援、IRENA54の更なる活用などの取組を推進するとともに、我が国の 2030 年度(平成 42年度)の温室効果ガス削減目標を示した約束草案を国連に提出し、COP2155における2020 年(平成 32 年)以降の全ての国が参加する公平かつ実効的な国際枠組みの構築に積極的に貢献する。
さらに、エネルギー源としての廃棄物の有効利用等を含む循環型社会形成、里地里山・里海の保全、海洋ごみ対策、微小粒子状物質(PM2.5)対策等を進め、循環共生型の地域社会の構築に向けた取組を推進する。

第3章 「経済・財政一体改革」の取組-「経済・財政再生計画」

1. 経済財政の現状と課題

「デフレ脱却・経済再生」、「歳出改革」、「歳入改革」の3本柱の改革を一体として推進し、安倍内閣のこれまでの取組を強化することが必要である。

2. 計画の基本的考え方

民間の活力を活かしながら、双方の一体的な再生を目指す「経済・財政再生計画」(2016 年度~2020 年度)の下、「経済・財政一体改革」を不退転の決意で断行する必要がある。

(デフレ脱却・経済再生)

ロボット、人工知能やビッグデータ、オープンデータ等を活用した「産業大変革」を具体化する。同時に、生産性を向上させる投資や女性・若者・高齢者等の労働参加率の上昇等により供給面での取組の強化を実現する。

(歳出改革)

今回取り組もうとする歳出改革は公共サービスの無駄をなくし、質を改善するため、広く国民、企業、地方自治体等が自ら意欲を持って参加することを促し、民間の活力を活いかしながら歳出を抑制する社会改革である。

① 公的サービスの産業化
② インセンティブ改革
③ 公共サービスのイノベーション

(歳出改革のマクロ経済的にみた効果-民間の活力を活かす改革)

歳出改革は、ⅰ)公的部門の効率性向上、ⅱ)公的ストック(社会資本、土地、情報等)や民間資金(内部留保等)の有効活用、ⅲ)不足しつつある人材の官民を通じた最適配置を促すこと等により、マクロ経済の供給面(潜在成長率)を強化し、需要面では、公共サービスと一体的に生み出される新たなサービスを創出することを通じて経済再生を強化する。

(歳入改革)

① 第2章で述べたように、良好なマクロ経済環境を持続させるとともに、企業の新陳代謝や労働の移動を円滑化、促進する取組を強化することにより、企業収益と就業者の所得の増加を支え、税収の一層の伸びを実現する。
② 「公的サービスの産業化」や「公共サービスのイノベーション」により、経済全体に占める企業など民間のシェアの向上、課税ベースを拡大することで、新たな税収増に結び付ける。
③ マイナンバー制度の活用等により税・社会保険料徴収の適正化を進める。
④ 関係機関からの納付金など税以外の歳入を確保する。

(資産・債務の圧縮)

国、地方が保有する資産(特別会計等を含む。)の有効活用、不要な資産の売却等を進める。売却収入については、債務の償還又は震災復興など追加的に発生する歳出増加要因に有効に活用する。

3. 目標とその達成シナリオ、改革工程

「経済・財政一体改革」を推進することにより、経済再生を進めるとともに、2020 年度(平成 32 年度)の財政健全化目標を堅持する。具体的には、2020 年度PB黒字化を実現することとし、そのため、PB赤字の対GDP比を縮小していく。
また、債務残高の対GDP比を中長期的に着実に引き下げていく。さらに、資産についてもできる限り圧縮し、その対GDP比を抑制する。フローとストックについての指標は共に重要である。
なお、2020 年代以降も、人口減少・高齢化は更に進行していくとみられることを踏まえ、2020 年度以降も見据えた改革としていく。

4. 歳出改革等の考え方・アプローチ

[Ⅰ]公的サービスの産業化

民間の知恵・資金等を有効活用し、公共サービスの効率化、質の向上を実現するとともに、企業やNPO等が国、地方自治体等と連携しつつ公的サービスへの参画を飛躍的に進める。また、これまで十分に活用されていない公的ストック(社会資本、土地、情報等)を有効に活用する。さらに、規制改革や公共サービス・公共データの見える化等により、新たな民間サービスの創出を促進する。

(社会保障をはじめとする公的サービスの産業化の推進)
(多様な行政事務の外部委託、包括的民間委託等の推進)
(民間資金・民間ノウハウの活用)
(公的ストックの有効活用)
(オープンデータ化等を通じた新サービスの創造)

[Ⅱ]インセンティブ改革

(頑張る者を支える仕組みへのシフト、ニーズに適合した選択肢の提供)
(トップランナー方式等を活用し、個人、企業、自治体等の意識と行動の変化を促進)
(質の高いサービスを効率的に提供する優良事例を2020 年度までに全国展開)
(ワーク・ライフ・バランスや女性の活躍など経済再生に寄与する取組の加速)
ワーク・ライフ・バランスや女性の幹部登用、女性、若者、高齢者等の就業促進の取組を支援するための施策を計画期間中に着実に実施することにより、企業のインセンティブを強化する。

[Ⅲ]公共サービスのイノベーション

(公共サービスの現状、コスト、政策効果等に関する徹底した見える化)
(エビデンスに基づくPDCAの徹底)
(公共サービスに関わる業務の簡素化・標準化)

5. 主要分野ごとの改革の基本方針と重要課題

「経済・財政一体改革」は、国民全体が自ら意欲をもって参加する社会改革であることを念頭に以下の取組を強力に推進する。その際、社会保障と地方行財政改革・分野横断的な取組等は、特に改革の重点分野として取り組む。

[1]社会保障

(基本的な考え方)

社会保障分野については、社会保障・税一体改革を確実に進めつつ、経済再生と財政健全化及び制度の持続可能性の確保の実現に取り組み、世界に冠たる国民皆保険・皆年金の維持そして次世代へ引き渡すことを目指した改革を行う。

①自助を基本に公助・共助を適切に組み合わせた持続可能な国民皆保険、②経済成長と両立する社会保障制度、③人口減少社会に合った公平で効率的な医療等の提供、④健康で生きがいのある社会、⑤公平な負担で支え合う制度という基本理念に基づいて取り組む。

安倍内閣のこれまで3年間の経済再生や改革の成果と合わせ、社会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸び(1.5 兆円程度)となっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を2018 年度(平成 30 年度)まで継続していくことを目安とし、効率化、予防等や制度改革に取り組む。

(年金)

年金については、社会保障改革プログラム法等に基づき、マクロ経済スライドの在り方、短時間労働者に対する被用者保険の適用範囲の拡大、高齢期における職業生活の多様性に応じ一人ひとりの状況を踏まえた年金受給の在り方、高所得者の年金給付の在り方を含めた年金制度の所得再分配機能の在り方及び公的年金等控除を含めた年金課税の在り方の見直し等について、引き続き検討を行う。

[2]社会資本整備等

(基本的な考え方)

社会資本や公共施設の整備や管理・運営については、経済再生と財政健全化の双方に資するよう、中長期的な見通しの下、マネジメントを含めた効率化を図りながら、計画的に推進する。
社会資本の整備については、既存施設やソフト施策の昀大限の活用を図りつつ、国際競争力の強化、国土強靱化、防災・減災対策、コンパクト・プラス・ネットワーク、老朽化対策などの分野について、人口減少等の社会構造の変化を踏まえ、選択と集中の下、ストック効果が昀大限発揮されるよう重点化した取組を進める。また、これらの重点分野については、優先度・時間軸を明確化し、国土形成計画、社会資本整備重点計画等に反映する。

(民間能力の活用等)

民間の資金・ノウハウを活用し、効率的なインフラ整備・運営やサービス向上、民間投資の喚起による経済成長を実現するため、「PPP/PFIの抜本改革に向けたアクションプラン」の実行を加速する。このため、日本版「資本のリサイクル」として、コンセッションや公的不動産の利活用、公共施設の集約化や複合利用、公共施設集約に伴う余剰地の売却再投資などの公的ストックの有効活用、包括的民間委託や上下水道など複数分野の一体的な管理委託など、多様なPPP/PFI手法の積極的導入を進め、民間ビジネスの機会を拡大する。

[3]地方行財政改革・分野横断的な取組等

これまで地方においても様々な改革努力を行ってきたが、地方歳出の多くが法令により義務付けられている経費や国の補助事業であることから、制度の見直しなど、国の歳出改革を確実に実行していくことが地方の歳出改革にとっても不可欠である。一方で次世代に持続可能な地方財政制度を引き渡していくため、人口減少等を踏まえ、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行う。

(国と地方を通じた歳出効率化・地方自治体の経営資源の有効活用)

国が直接執行する歳出の効率化はもとより、地方の歳出効率化の妨げとなっている国の法令や制度等の改革を進めるとともに、地方においても歳出改革・効率化に取り組む。

具体的には、以下の取組を推進する。

・ 社会保障、社会資本整備など国が法令や国庫支出金等で基本的枠組みを定めている分野について、パフォーマンス指標を「見える化」し、関係法令等を見直す。それを踏まえ、国庫支出金や地方交付税の配分等を見直す。また、BPRの手法を活用した業務改革モデルプロジェクトの実施による官民協力した優良事例の創出と全国展開、公共サービスイノベーションにおける優良事例の全国展開を加速する。
・ 地方単独事業について、過度な給付拡大競争を抑制していくための制度改革 67を進める。
・ 地方独立行政法人を含む地方においても効率的で質の高いサービスを提供するため、民間の大胆な活用の観点から市町村で取組が遅れている分野や窓口業務などの専門性は高いが定型的な業務の適正な民間委託の取組の加速をはじめ、公共サービスの広域化、共助社会づくりなど幅広い取組を自ら進める。その際、窓口業務のアウトソーシングなど汎用性のある先進的な改革に取り組む市町村数を2020 年度(平成 32 年度)までに倍 増させる。
・ 地方財政をめぐる厳しい状況を踏まえ、公営企業については、計画期間内に廃止・民営化や広域的な連携等も含めた抜本的な改革の検討を更に進め、経営戦略の策定等を通じ、経営基盤強化と財政マネジメントの向上を図る。また、第三セクターについても、「第三セクター等の経営健全化等に関する指針」を踏まえた取組を推進するとともに、優良事例の全国展開を図る。地方交付税のセーフティーネット機能を維持しつつ、例えば歳出効率化に向けた取組で他団体のモデルとなるようなものにより、先進的な自治体が達成した経費水準の内容を基準財政需要額の算定に反映すること等によって、地方の歳出効率化を推進する。
・ 地方交付税制度の改革に合わせて、留保財源率については必要な見直しを検討する。
・ 2018 年度(平成 30 年度)までの集中改革期間に、自治体の行政コストやインフラの保有・維持管理情報等(公共施設等総合管理計画の策定、地方公会計の整備、公営企業会計の適用拡大、地方交付税の各自治体への配分の考え方・内訳の詳細・経年変化など)の「見える化」を徹底して進め、誰もが活用できる形での情報開示を確実に実現する。
また、業務改革を推進するため、民間委託やクラウド化等の各地方自治体における取組状況を比較可能な形で開示する。

[4]文教・科学技術、外交、安全保障・防衛等

[1]から[3]の主要歳出分野のほか、文教・科学技術、外交、安全保障・防衛等を含め、歳出改革を聖域なく進める。

(外交、安全保障・防衛)
ODAについては、諸外国に比して厳しい財政状況等を勘案し、重要な外交手段の一つとして適正・効率的かつ戦略的活用に取り組む。民間部門等の資源を活用するとともに、ODAが民間部門の経済活動を拡大するための触媒としての機能を果たすよう努める。また、国際機関への拠出については、評価の基準・指標を明らかにした上で、拠出を行っている国際機関全般に対して、多面的・定量的な評価を行い、拠出の妥当性を検証する。

[5]歳入改革、資産・債務の圧縮

(1)歳入改革
① 歳入増加に向けた取組

(基本的考え方)
「デフレ脱却・経済再生」を加速することにより、経済成長と税収増をより確実なものとする。
あわせて、「経済構造の高度化、高付加価値化」等を通じた歳入増を実現する。

② 税制の構造改革

(基本的考え方)

人口動態、世帯構成、働き方・稼ぎ方など、経済社会の構造が大きく変化する中、持続的な経済成長を維持・促進するとともに、経済成長を阻害しない安定的な税収基盤を構築する観点から、税体系全般にわたるオーバーホールを進める。その中で、将来の成長の担い手である若い世代に光を当てることにより経済成長の社会基盤を再構築する。
特に、ⅰ)夫婦共働きで子育てをする世帯にとっても、働き方に中立的で、安心して子育てできる、ⅱ)格差が固定化せず、若者が意欲をもって働くことができ、持続的成長を担える社会の実現を目指す。

第4章 平成 28 年度予算編成に向けた基本的考え方

1. 経済財政運営の考え方
[1]経済の現状及び今後の動向と当面の経済財政運営の考え方

我が国経済は、緩やかな景気回復基調が続いている。平成 27 年度においては、経済の好循環を確かなものとし、地方にアベノミクスの成果を広く早く行き渡らせていくため、引き続き予算の早期執行等に取り組む。また、賃金上昇を定着させるとともに投資を促進するための環境整備に取り組む。こうした取組により、雇用・所得環境が引き続き改善し、好循環が更に進展するとともに、交易条件も改善する中で、堅調な民需に支えられた景気回復が見込まれる。
平成 28 年度においては、世界経済の回復が引き続き期待される中、上述の経済財政運営の考え方に基づく施策の推進により、民需に支えられた、雇用や所得の増加を伴う景気回復が続くことが期待される。

[2]中長期的な経済財政の展望を踏まえた取組

2020 年度(平成 32 年度)の財政健全化目標に向けて、第3章で定める計画に沿って、経済財政運営を行っていく。相互に密接に連関する経済と財政について中長期的に一体的かつ整合的に展望しつつ、毎年度の予算は、経済再生と財政健全化の双方を実現する道筋を踏まえて、編成される必要がある。

2. 平成 28 年度予算編成の基本的考え方

平成 28 年度予算編成に当たっては、「経済・財政一体改革」を大きく進展させるため、各府省庁の予算に「公的サービスの産業化」、「インセンティブ改革」、「公共サービスのイノベーション」をはじめとする第3章に掲げる計画の基本的考え方にのっとった歳出改革を反映する。
社会資本整備については、国際競争力の強化、国土強靱化、防災・減災対策、コンパクト・プラス・ネットワーク、老朽化対策などの分野について、人口減少などの社会構造の変化を踏まえ、選択と集中の下、ストック効果が昀大限発揮されるよう重点化した取組を進める。また、公共施設について、生活密着型施設の統廃合等によりストック量の適正化を進めるとともに、コンセッションなど多様なPPP/PFI手法を活用し、 いコスト抑制を図りつつ、民間の資金やノウハウが活かされる新たなビジネス機会を拡大する。
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